●一組のゲイのカップルと、二人をとりまく人々の日常が、平易な文章でさらりと書かれています。
マルオとヒカルは恋人同士、いつも人目をはばからず手をつないで歩く。通りすがりの人々やマルオの同僚は、あからさまな好奇の目や不快感をあらわすが、一方そんなことは意に介していない友人達がそばにいる。
たとえば音楽について、ロックが好きかクラシックが好きか。音楽(またはその他)の趣味が合わなくてもなぜか気の合う相手や、友人関係は成立するわけで、互いに尊重し合いたい。人として許されぬことを行っていないかぎり、誰のことも責めたり、揶揄することはできないものなのだ、とあらためて感じた。
どこにでもある日常を描かれ、読んで、特別な感動を与えようというものではない。しかし、こだわりを持たぬ目(友人たち)の心地よさは、さわやかな読後感をもたらしてくれる。